シングルマザー(母子家庭)の子育てに悩んだら|あなたの悩みを解決する5つのポイント

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シングルマザー(母子家庭)の子育てに悩んだら|あなたの悩みを解決する5つのポイント

シングルマザー(母子家庭)の子育てには、重く大きな負担がのしかかります。仕事との両立が上手くいかなかったり、ストレスをひとりで抱え込んでしまったり。教育費や生活費の捻出に追われ、経済的に困窮している方も少なくありません。

そこで今回は、シングルマザー(母子家庭)が直面する子育ての悩みと、子育てを乗り越えるためのポイントを解説します。公的制度や相談窓口など、具体的な対応策を載せているので、ぜひ今後の生活にお役立てください。

なお、当社が運営する「wacca」では、ひとり親家庭に向けた各種サポートを提供しています。メンバー同士の助け合いを通して、シングルマザー(母子家庭)やシングルファザー(父子家庭)の抱える問題を解決することが目的です。

子育てで悩まれているシングルマザー(母子家庭)やシングルファザー(父子家庭)の皆様は、一度コミュニティにご参加ください。あなたと同じ境遇の仲間や支援者が、具体的な解決策を提案いたします。

1.シングルマザー(母子家庭)の子育てによくある悩み

子育てに悩んでいるシングルマザー(母子家庭)は少なくありません。平成28年度の「全国ひとり親世帯等調査」によると、子どもに関する悩みの内容で最も多いのは「教育・進学」でした。次いで「しつけ」と「就職」に関する悩みが続きます。

項目 割合
教育・進学 58.7%
しつけ 13.1%
就職 6.0%
健康 5.9%
障害 4.3%
その他 12.0%

平成28年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告

また、このほかに再婚や養育費など、シングルマザー(母子家庭)自身に関する悩みもあります。さまざまな不安が尽きないなかで、がんじがらめの状況に陥っている方も多いでしょう。将来への不安を今すぐに消し去ることはできませんが、現在の状況を冷静に見極めれば、おのずと突破口が見えてきます。シングルマザー(母子家庭)によくある悩みとして、主に挙げられるのは次の5つです。

1.金銭面での不安がある
2.仕事と育児の両立が難しい
3.子どもにイライラして当たってしまう
4.相談できる人が周りにいない
5.周囲からの偏見の目が気になる

あなたに少しでも当てはまるものはありますか? ここからは、それぞれの悩みとともに「今日からできる解決策」を紹介していきます。

1-1.金銭面での不安がある

[具体的な解決策]

少しずつでも貯蓄するために家計簿をつける
児童扶養手当などの公的制度に申し込む
できるだけ収入の安定した仕事を探す
元のパートナーと養育費の交渉をする

シングルマザー(母子家庭)の中には、教育費や家賃などを支払えずに困窮している方が多くいます。平成28年度の「全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、シングルマザー(母子家庭)の平均年収は243万円(うち就労収入は200万円)でした。

女性全体の平均年収が293万円であることを考えれば、シングルマザーが苦しい生活を強いられていることは疑いを容れません。いくつかの要因が考えられますが、なかでも解決すべきは働き方の問題です。同じく「全国ひとり親世帯等調査結果報告」より、シングルマザーの就業形態を調べてみましょう。

参考:平成28年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告

上記の通り、シングルマザーで就業しているのは全体の81.8%。このうち正社員として働いている人は44.2%に留まっています。

それ以外の多くはパート・アルバイトに従事しており、子育てや家事に追われてフルタイムで働くことが困難な状況です。また、たとえ正社員と同じように働いたとしても、十分な収入が得られないワーキングプア(働く貧困層)の存在も明らかになっています。

こうした就業問題をすぐに解決するのは難しいですが、現在では母子家庭を対象にした支援の輪も広がっています。児童扶養手当などの公的制度を利用しつつ、緊急の援助が必要になったときは、私たち「wacca」のような民間の支援団体にご相談ください。

1-2.仕事と育児の両立が難しい

[具体的な解決策]

ベビーシッターや家事代行サービスを利用する
自治体のファミリーサポート制度を利用する
子どもが成長するまでは時間がとれる仕事に就く
 子育て支援の充実した街に移住する

最近は共働き世帯も増えていますが、働くシングルマザーはもっと大変です。正社員でもパートタイマーでも、自分の時間が満足に取れる方は少ないでしょう。

全国ひとり親世帯等調査結果報告」の統計によると、働いているシングルマザーの帰宅時間で最も多いのは「午後6時~8時」です。午後6時に仕事を終えたとして、保育園のお迎えや夕食の準備、入浴に寝かしつけと、子どものために行う家事は沢山あります。

気が付けば深夜となり、十分な睡眠も取れないまま翌朝を迎えてはいませんか? こうした生活サイクルが続けば、やがて体力的にも精神的にも追い込まれてしまいます。

仕事と子育ての両立をするために、生活習慣を見直してみるのも手です。食事の準備は早朝にまとめて行い、夜は自分の時間に充てるなど、スケジュールを変えることで生活にゆとりを持てる場合があります。

また、どうしても時間が作れない場合は、子育てしやすい仕事に就くことも検討しましょう。時短勤務のできる会社に転職したり、残業の少ない派遣社員やパートタイマーの職に就いたりと、さまざまな選択肢が考えられます。

1-3.子どもにイライラして当たってしまう

[具体的な解決策]

ベビーシッターを利用して自分の時間を作る
ひとり親向けの電話相談窓口を利用する
「wacca」など民間の支援団体に相談する

生活の余裕も気持ちの余裕もなくなり、気づけば子どもに辛く当たっていませんか? 後から自己嫌悪に陥り、ますますストレスを溜め込むような状況が続くと危険です。育児疲れに対する特効薬は、自分の時間を持つことです。一般社団法人「女性労働協会」が過去に行ったレポートを見てみましょう。

参考:女性労働協会「子育て期の女性労働者のストレスに関する調査報告書」

子どもがいる女性労働者1668人に「自分の時間を持つこと」ができているかを尋ねたところ、およそ9割以上の方が「全くできていない」もしくは「あまりできていない」と回答しました。

また、「全くできていない」と答えた人のうち、81.1%は「自分の時間を持つこと」が「ストレスになっている」と答えています。この数字は他の調査項目(「仕事」や「家事」)と比べても突出して高く、いかに「自由な時間の少なさ」が育児疲れの原因となっているかが分かります。

そこで解決策として考えられるのが、ベビーシッターの利用です。記念では質の高いサービスが低価格で利用できるようになっており、一部では国や自治体の助成も行われています。育児をひとりで抱え込まず、他人に任せられるタスクは積極的にお願いするといいでしょう。自分の時間を持つことで心に余裕が生まれ、結果的に子どもとのあたたかいコミュニケーションにつながります。

1-4.相談できる人が周りにいない

[具体的な解決策]

各種相談窓口を通して悩みを話す
「wacca」などの支援団体で仲間と交流する
・実家での子育てを検討する
・子育てに理解のあるパートナーを見つける

ひとりで子育てをする中で、気軽に相談できる相手を持つことはとても大切です。「全国ひとり親世帯等調査」によると、シングルマザーの中で「相談相手がいない」と答えたのは全体の20%。このうち「相談相手が欲しい」と答えたのは60.2%でした。

全国ひとり親世帯等調査結果報告

このように、依然として多くの方が「相談したくても相談できない」状況に置かれています。シングルマザーに限らず、生きていて孤独感ほど辛いものはありません。

悩みを共有するためには、母子家庭向けの相談窓口や支援団体を利用してみましょう。私たちが運営する「wacca」のように、当事者同士のコミュニティで相談することができます

ちなみに、上記の調査において、具体的な相談相手として最も多かったのは「親族」でした。ちょっとしたストレスであれば親しい友人に話せますが、子どもの養育費や進路の問題となると気軽には話せません。

もしも状況が許すのであれば、実家で子育てをするのも手です。児童扶養手当の対象外になる可能性があるものの、実家暮らしなら経済的にも精神的にも負担を減らせるでしょう。

1-5.周囲からの偏見の目が気になる

[具体的な解決策]

仕事を変えて収入を上げる
子育てしやすい街に移住をする
「wacca」などの当事者団体に参加する

推計によると、全国の母子家庭の数は123万2,000世帯(父子家庭は18万7,000世帯)です。母子家庭になった理由として最も多いのは「離婚」(79.5%)で、次いで「未婚の母」(8.7%)のケースが続きます。

全国ひとり親世帯等調査結果報告

残念なことに、母子家庭になった理由に対しては、いまだ社会に根強い偏見があります。

たとえば、離婚を経験したシングルマザーは「バツイチ」と呼ばれ、人生に失敗したかのようなイメージを抱かれがちです。未婚の母の場合はさらに深刻であり、かつては寡婦控除の対象外となるなど、法律上の扱いが問題になったこともあります(現在は改正)。

死別に関しても、周囲から同情される一方で「遺族年金で豊かに暮らせる」と誤解を受けるケースも少なくありません。

こうした偏見の背景にあるものとして、伝統的な「家族制度」の価値観が挙げられます。家父長たる男性が世帯を支えるという考え方が浸透したことで、母子家庭は社会の隅へ追いやられてきました。

この20年ほどで明らかな差別は減ったものの、シングルマザーが本当に安心して暮らせる社会はまだ到来していません。「wacca」などの支援団体を通して、当事者同士のつながりを強めていくことが大切です。

2.シングルマザーの子育てに悩んだら|5つの解決策

ここからは、子育てに悩むシングルマザーへ向けて、具体的な解決策を紹介していきます。ポイントは大きく分けて次の5つです。

・お金のやりくりを見直す
・家事や育児の負担を減らす
・子育て支援制度を利用する
・相談窓口を利用する
・転職や移住で環境を変える

どの方法も、その気になれば今日からでもアクションを起こせるものばかりです。以下の内容を参考に、新しい生活への一歩を踏み出してください。

2-1.お金のやりくりを見直す

全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、シングルマザーのおよそ2人に1人は家計に関する悩みを抱えています。子どもの養育費を捻出するのに苦労するようであれば、いま一度お金のやりくりを考えましょう。

具体的な手順としては、まずご自身の家計簿をつけた上で、突出して多い支出項目がないかをチェックします。後述する母子家庭の平均生活費を参考に、ムダな支出を洗い出してください。

節約の道筋がついたら、毎月一定額を貯金に回していきます。銀行の定期預金や積立預金を利用しても構いませんが、資産運用を意識するなら学資保険やジュニアNISAもおすすめです。以下で詳しく見ていきましょう。

2-1-1.母子家庭の平均生活費
表:1ヶ月の平均支出額(母親と18歳未満の子供のみの世帯)
家賃 25,268円(12.0%) 被服 10,456円(4.9%)
水道光熱費 16,988円(8.1%) 教育 16,868円(8.0%)
食費 52,835円(25.2%) 保健医療 6,452円(3.0%)
交通・通信費 26,814円(12.8%) 教養娯楽 17,146円(8.1%)
家具・家事 6,728円(3.2%) その他(交際費等) 29,675円(14.1%)
消費支出の平均 209,230円(100.0%)
参考:家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 2019年

もちろん、上記はあくまで目安です。実際はこの金額でやりくりできないという方も多いでしょう。

また、支出額は生活環境によっても変わります。都市部で暮らしている方は、公営住宅でも3万円程度の家賃は必要となります。逆に子どもが1人であれば、食費を3万円前後に抑えることも可能です。

母子家庭(シングルマザー)のお金の不安を取り除くお金のやりくり」では、シングルマザーにおけるお金のやりくりを詳細に検討しています。こちらも参考にしつつ、生活費の予算額を決めるようにしてください。

2-1-2.おすすめの貯金方法

家計簿をつけることで、貯蓄に回せる金額が自然と分かってきます。まずは毎月1万円からで構いませんので、子どもの将来に向けた資金作りをしていきましょう。

貯金をしていく際にもコツが要ります。ただ銀行の普通預金に預けるだけでは利子がつきません。子どもの大学進学を視野に入れているのであれば、次のような長期の資産運用も検討すべきです。

商品 特徴
学資保険 ・基本的に元本割れしない
親が死亡した場合でも予定された保険金が支払われる
ジュニアNISA
2023年12月末で終了
・年間80万円までの運用益が非課税
・運用期間は最長5年
つみたてNISA ・年間40万円までの運用益が非課税
・運用期間は最長20年

なお、母子家庭の節約方法や貯金について詳しい情報を知りたい方は「母子家庭(シングルマザー)の目標貯金額と貯金方法」もご覧ください。

2-2.家事や育児の負担を減らす

シングルマザーとしての責任感から、仕事も家事も完璧にこなそうとしていませんか?

もちろん何事にも頑張ることは大切ですが、あまり気を張り詰めすぎるのも考え物です。母子家庭にとって一番優先すべきは子どもの成長。優先順位の低いものまで完璧にこなす必要はありません。少しぐらい部屋が散らかっていても大丈夫。パートナーがいないことを逆手にとって、たまには手を抜くことも考えましょう。

忙しかったり疲れたりしたときに便利なのが、育児や家事の負担を減らしてくれるサービスです。ここからは、家事代行やベビーシッターサービス、ネットスーパーの活用法について解説します。

2-2-1.便利な家事代行・ベビーシッターサービス

家事や育児に疲れたときは、便利な代行サービスの利用を考えましょう。

ひと昔前は日本でほとんど馴染みのなかったベビーシッターも、いまでは広く普及しました。手頃な価格で高品質のサービスが受けられるため、利用してみて驚かれる方も少なくありません。

代表的な家事代行サービスは以下の通り。料金相場は1時間あたり2,000円~3,000円程度です。

タスカジ
Cat Hand(キャットハンド)
Casy(カジー)
イエキーピング
カジェール
ピナイ家政婦サービス

続いて、ベビーシッターについても主なサービスを紹介します。こちらも料金相場は1時間あたり2,000円~3,000円。定期利用はもちろん、都度利用や病児保育に特化したサービスもあります。

キズナシッター
NESS Corporation
eキッズ
Bears(ベアーズ)
フローレンス(病児保育専門)

なお、ベビーシッターを利用したときに、国や自治体から助成金を受けられる場合があります。詳しくはお住まいの市区町村ホームページなどをご覧ください。

2-2-2.ときには宅配サービスの利用も

時短のためにおすすめしたいのが、ネットスーパーや食材宅配サービスです。クリックするだけで簡単に注文できるので、買い物の時間を大幅に短縮できます。まとめ買いをすれば配送料を抑えられますし、余計なものまで買ってしまう心配もありません。

楽天西友ネットスーパー
コープ(生協)の宅配
イトーヨーカドー ネットスーパー
ヨシケイ
イオンネットスーパー
オイシックス
ライフネットスーパー
わんまいる

また、少しお金に余裕ができたら、子どもと外食に出かけるのもいいでしょう。親子の時間も作れて一石二鳥です。

2-3.子育て支援制度を利用する

母子家庭で生活の悩みを抱えている方は、国や自治体による支援制度も活用しましょう。さまざまな制度がありますが、以下の3つだけでも覚えておくと、いざという時に役立ちます。

・児童手当・児童扶養手当
・母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
・ファミリーサポート制度

もちろん、上記以外にもさまざまな支援制度があります。詳しく知りたい方は、「母子家庭(シングルマザー)が利用できる手当・支援制度のまとめ」をご覧ください。ここからは、3つの制度の対象となる方と詳しい内容を見ていきます。

2-3-1.児童手当・児童扶養手当

シングルマザーが最初に検討すべき公的制度として、「児童手当」および「児童扶養手当」があります。両者はよく似た名称ですが、制度の中身はまったく異なります。以下の表は、児童手当と児童扶養手当の違いをまとめたものです。

項目 対象 支給される金額(月額)
児童手当 中学校卒業までの児童を養育している方 3歳未満:15,000円
3歳以上:10,000円
(第3子以降は15,000円)
中学生:10,000円
児童扶養手当 高校卒業までの子どもを養育しているひとり親 【全額支給】
子ども1人目:42,000円
子ども2人目:47,000円
子ども3人目以降:6,110円

【一部支給】
子ども1人目:43,150~10,180円
子ども2人目:10,180円~5,100円
子ども3人目以降:6,100~3,060円
児童手当
児童扶養手当

このように、児童手当は15歳までの子どもを持つすべての世帯が対象となる一方、児童扶養手当は18歳までの子どもを持つシングルマザー(シングルファザー)が対象です。

ただし、児童手当と児童扶養手当は併用することができます。母子世帯で所得の条件を満たす方は、最大で月額5万円前後の支給を受けられるため、忘れずに利用したいところです。

2-3-2.母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」は、シングルマザー(シングルファザー)を対象にした国の融資制度です。

保証人を立てれば無利子で借りることができる上に、保証人なしの場合でも年1.0%の超低金利で借りられます。消費者金融や銀行カードローンの借り入れよりもはるかに利息を抑えられる制度です。

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、借り入れの目的に応じて以下のように細かい規定があります。

項目 目的 貸付限度額
就学資金 子どもの授業料、書籍代、通学費など 高校:月額27,000円
大学:月額71,000円
就学支度資金 子どもの入学金、被服購入費など 高校:150,000円
大学:410,000円
修業資金 子どもが就職に必要な知識技能を習得するための授業料など 月額68,000円
事業開始資金 親が開業するための設備費など 個人:2,930,000円
団体:4,410,000円
事業継続資金 親が事業を継続するために必要な資金 個人:1,470,000円
団体:1,470,000円
技能習得資金 親が就職に必要な知識技能を習得するための授業料など 月額68,000円
自動車免許:460,000円
就職支度資金 親または子どもが就職するために必要な被服費など 100,000円
医療介護資金 親または子どもが医療・介護を受ける場合の自己負担金など 介護:500,000円
医療:340,000円
生活資金 失業などで生活を安定・継続されるための費用 技能習得期間中:月額141,000円
その他;月額105,000円
住宅資金 住居の購入や改築にかかる費用 1,500,000円
転宅資金 住居の移転にかかる頭金など 260,000円
結婚資金 子どもの結婚にかかる挙式代など 300,000円
参考厚生労働省|ひとり親家庭への支援について

上記の通り、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度はほとんどの資金用途に対応できます。もしもお金に困ったときは、お住まいの市区町村窓口に相談してみましょう。

2-3-3.ファミリーサポート制度

ファミリーサポート制度は、子育てを援助してもらいたい人と、子育てを援助したい人とを結び付ける仕組みです。全国各地に拠点を置いており、保育園までの送迎や開園前・閉園後の預かりサービスなどを行っています。

サービスの利用者である「依頼会員」に対して、サービスの担い手となるのは「提供会員」と呼ばれる人々です。多くは子育て経験者であり、なかには保育士資格を有する方もいます。提供会員は講習会などを通して専門の知識を身につけているので、安心して子どもを預けられるでしょう。

料金は自治体により異なりますが、1時間につき700円前後のケースが多いようです。詳しくは「女性労働協会ホームページ」より、お近くのファミリーサポートセンターにお問い合わせください。

2-4.相談窓口を利用する

ひとりで悩みを抱えている方は、相談窓口の利用をおすすめします。電話相談のほかLINEやメールに対応している相談機関もあるので、自分が話しやすい手段を選びましょう。以下の表は、シングルマザーに適した相談機関の一覧です。

相談窓口 連絡先
しんぐるまざあず・ふぉーらむ 電話:050-3196-1114(火・木曜)
ひとり親家庭支援センターはあと 電話:03-5261-8687(生活相談)
電話:042-506-1182(就労相談)
よりそいホットライン 電話:0120-279-338
(岩手・宮城・福島県:0120-279-226)
養育費等相談支援センター 電話:03-3980-4108(携帯から)
電話:0120-965-419(固定電話から)
法テラス日本司法支援センター 電話:0570-078-374
ひとり親家庭相談LINE 自治体により異なる

いずれも専任の相談員が応対します。養育費などの問題については、「養育費等相談支援センター」や「法テラス」で法律相談を受けることが可能です。主な相談窓口について、以下で簡単に見ていきましょう。

2-4-1.NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ

シングルマザーの支援団体です。関東を中心に就労支援などを行っているほか、毎週火曜・木曜の夜には電話相談も受け付けています。メール相談も受け付けているほか、無料のメルマガを通して地域の情報を得ることも可能です。

・公式HP   https://www.single-mama.com/ ・電話   050-3196-1114(火木16:00~21:00) ・メール   こちらから
2-4-2.ひとり親家庭支援センター はあと

ひとり親世帯(シングルマザー・シングルファザー)を対象に、生活や養育費、法律などの相談を行っています。また、スキルアップを目的としたパソコン講習会を開くなど、就労支援も実施。ひとり親家庭の総合的な支援窓口として、さまざまな問題に取り組んでいます。

・公式HP   http://www.haat.or.jp/
・電話
    生活相談:03-5261-8687(月~金9:00~19:30、土日祝9:00~16:30)
    就業相談:042-506-1182(火木9:00~16:30、月水金土 9:00~16:30)

2-4-3.よりそいホットライン

将来への不安や孤独感など、暮らしの悩み全般の相談に乗っています。若い世代はもちろん、40代以降の相談者も比較的多く、年齢を問わずに相談することが可能です。また、一般の相談ラインのほか、DV被害者や被災者の専用ラインも設置されています。

・公式HP   https://www.since2011.net/
・電話  :0120-279-338 :※岩手・宮城・福島県からは0120-279-226

2-5.転職や移住で環境を変える

転職や移住によって、苦しい状況から抜け出せる場合があります。現在は社会全体が子育てに関心を持つようになり、母子家庭に対して一定の理解を示す企業や自治体も増えてきました。あなたが置かれている環境に問題があるときは、自分から踏み出す勇気も大切です。環境を変えることで、心機一転、気持ちをリフレッシュできるかもしれません。

以下の項目では、「子育てしやすい仕事」と「子育てしやすい街」について解説していきます。

2-5-1.シングルマザーが子育てしやすい仕事

現在の就労環境で子育てが難しい場合は、思い切って別の仕事に就くのも手です。

安定した収入を希望する方は正社員で、子育てに時間を割きたい方は一時的にパートで働くといいでしょう。時短勤務を取り入れている企業であれば、収入と時間を両立させることも可能です。

平成28年度の「全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、シングルマザーの従事している仕事で最も多いのは「事務」でした。また、パートやアルバイトに限った場合は「サービス職業」が最も多くなっています。

事務系の仕事としては一般事務、サービス業であれば介護や販売・接客、飲食などが人気です。いずれも比較的時間を作りやすい仕事のため、小さい子どもを持つシングルマザーには検討の余地があります。ただし、行き当たりばったりで転職を繰り返すのは危険です。将来を見据えた上で、保育士や看護師などの資格取得も視野に入れましょう。

[シングルマザーが利用したい就職・転職支援サービス]

Indeed(総合求人サイト)
はぴシェア(シングルマザーの就職・転職支援サイト)
マザーズハローワーク・マザーズコーナー(全国のハローワークにある母親向け窓口)

なお、シングルマザーの仕事選びについて詳しく知りたい方は、「母子家庭(シングルマザー)の仕事の選び方と探し方」もご覧ください。

2-5-2.シングルマザーが子育てしやすい街

自治体によって、母子家庭に対する支援策には違いがあります。なかにはシングルマザーが移住するだけで助成を受けられる市町村もあり、「子育てしやすい街」の仕組みづくりが活発に行われている状況です。「移住」と聞くと地方を思い浮かべるかもしれませんが、首都圏にも子育て支援の充実した自治体はあります。

たとえば、千葉県松戸市では2020年から2021年にかけて、ひとり親家庭への給付金(児童1人につき4万円)を独自に実施しました。さらに5年連続で待機児童ゼロを達成するなど、全国でもトップレベルでの子育て支援を行っています。(参考:松戸市子育て情報サイト)各自治体のホームページでは、子育て支援の取り組みが詳しく掲載されています。移住を考える上での参考にしてください。

[「子育て支援」を掲げる自治体と取り組みの例]

島根県邑南町
  ・子ども2人目から保育費が全額無料
  ・中学校卒業までの医療費が全額無料
静岡県伊豆市
  ・ひとり親移住体験ツアーの開催
  ・引っ越し費用や家賃の補助
長野県長野市
  ・高等生を対象にした奨学金制度
  ・時預かりや夜間預かりサービスの提供

なお、住宅購入を考えている方は「母子家庭(シングルマザー)が家を買う時のポイント」もお読みください。

3.まとめ

今回はシングルマザーの子育てについて解説しました。子育ての悩みを解決するために必要なアクションは、大きく分けて次の5つです。

・お金のやりくりを見直す
・家事や育児の負担を減らす
・子育て支援制度を活用する
・各種相談窓口を利用する
・転職や移住で環境を変える

新しいことを始めるのには勇気が要ります。どんな小さな悩みもひとりで抱え込まず、家族や友人と共有するようにしてください。私たちが運営する「wacca」は、あなたと同じシングルマザーの仲間たちが互いに支え合うためのサービスです。身近に相談できる人がいないときは、ぜひコミュニティにご参加ください。

4.私たちのサービス、waccaのご紹介

私たちは、ひとり親の方々が自分らしく笑顔で生きられる社会を作るため、「お金のヘルプ」と「心のヘルプ」を通じて、お金とこころの支援を行っております。

無料で、万が一の時の経済保障(がんや入院、失業)や入学・資格取得お祝い金をもらうことができ、また、同じひとり親同士が悩みを解決し合うコミュニティに参加できます。

まずはこちらから、サービスの内容をご覧ください。

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