養育費の平均相場はどれくらい?できるだけ多くもらう方法について解説

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養育費の平均相場はどれくらい?できるだけ多くもらう方法について解説

2016年に厚生労働省がおこなった全国ひとり親世帯等調査結果報告によると、母子世帯の母の39.8%・父子世帯の父の8.1%が現在も養育費を受給しているか、養育費を受給したことがあると回答しています。

養育費の金額は、争いに発展しない限り離婚する夫婦の間で決めることが一般的です。

そこで今回は、養育費の平均相場・計算方法、そして年収別の養育費の相場について解説します。養育費の基礎知識についても解説しますので、離婚してから時間が経っている方も参考にしてみてください。



1.そもそも養育費とは?

養育費とは、子どもが社会人として独立・自立し生きていけるまでに必要な費用のことを言います。

この養育費は、親権を持たない非監護親が親権を持つ監護親に支払います。
「社会人として独立・自立し生きていけるまでに必要な費用」とは、最低限の生活費という意味ではありません。子どもを養育しない非監護親と同じ程度の生活を保持させる必要があります。これを、生活保持義務と呼びます。

養育費の支払いは、法律上の義務です。つまり、生活水準を落としてでも支払う必要があり、ボーナスが入って余裕がある時だけ支払うということはできません。

ひとり親waccaの掲示板には以下のような相談がありました。

「養育費について」
元夫から、今月からもう養育費は払わない、俺にはメリットがない、父親を必要としないのに支払うつもりはない、裁判でもどうぞと言い出しました。 (続きは以下を参照)
出典:ひとり親wacca 心のヘルプ

この相談者の場合、元夫の年収や状況などにもよりますが裁判に発展した場合、裁判所から養育費の支払命令が出されることになります。

養育費には、以下のものが含まれます。
● 光熱費や家賃などの生活費
● 教育費
● 医療費
● お小遣い
● 交通費

これらにかかる費用の全てを非監護親が支払うわけではなく、親権を持つ養育者にも子どもの養育費を支払う義務があります。
養育費は毎月決まった日に支払ってもらい、ボーナス月にまとまった金額を支払ってもらうのが一般的な支払い方法です。 そして未婚のシングルマザーや未婚のシングルファザーでも、非監護親が子どもを認知していれば養育費を受け取ることが可能です。

関連記事:未婚のシングルマザー(母子家庭)が知るべき支援や手当と養育費

1-1.養育費はいつまでもらえるのか

養育費の支払い期限は、原則20歳になる誕生月までとなっています。2022年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられましたが、養育費の支払い期限も同じく引き下げられるわけではありません。

そもそも20歳までの支払い期限というのもあくまで原則であり、夫婦の話し合いによって18歳になったり大学を卒業する22歳になったりと、ケースバイケースです。

子どもが小さくどのように進学するかが決まっていない場合、20歳を支払い期限とするのが一般的です。 ただし、病気などによって20歳を超えても経済的に自立できない場合、親に扶養義務が認められることがあります。


2.養育費の平均相場はどれくらい?

ここまで養育費について解説してきましたが、それでは実際にどれくらいの金額を受け取ることができるのでしょうか。養育費の相場について解説します。

厚生労働省が2016年におこなった平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果によると、養育費を現在も受けている又は受けたことがある世帯のうち額が決まっている世帯の平均月額は、以下となりました。

平均月額
母子世帯 43,707円
父子世帯 32,550円

父子世帯よりも母子世帯の方が、平均で1万円以上高い養育費を受給しているという結果になっています。

また、子どもの人数別による養育費の平均月額は以下の通りです。
1人 2人 3人 4人 不詳
母子世帯 38,207円 48,090円 57,739円 68,000円 37,000円
父子世帯 29,375円 32,222円 42,000円 - -

子どもの人数が増えれば増えるほど養育費の平均月額は増えますが、単純に倍になるわけではないことにご注意ください。

関連記事:シングルファザー(父子家庭)でも養育費を受け取れる?実態と未払いの対処法を解説


3.養育費の計算方法

では、養育費はどのように計算するのでしょうか。ここからは、養育費を取り決める際の計算方法について解説します。

3-1.両親の年収と子どもの数・年齢によって変わる

養育費を決める際の基準として、まず両親の年収があります。非監護親の年収が高く監護親の年収が低い場合は養育費が高額になり、非監護親の年収が低く監護親の年収が高い場合は養育費が低額となります。

そして、会社員などの給与所得者よりも個人事業主や経営者などの自営業者の方が養育費が高い傾向にあります。

子どもの数と年齢も養育費を決める上での基準となります。子どもの数は1人の場合・2人の場合・3人の場合と、増えれば増えるほど養育費が高額になります。

子どもの年齢については、14歳以下か15歳以上かで金額に大きな差が出ることにご注意ください。15歳以上となると受験などもあるため教育にお金がかかるため、養育費もそれに従って高額になる傾向にあるのです。

3-2.目安となる養育費算定表を見る

出典:裁判所ウェブサイト

養育費算定表とは、裁判所が作成した養育費の基準がわかる表のことです。

先ほどご説明した両親の年収や子どもの数・年齢などをもとに、養育費の基準が一目でわかるようになっています。上記のものは0〜14歳の子どもが1人いる場合の養育費算定表です。

養育費算定表には、裁判所が作成したものと日本弁護士連合会(日弁連)が作成したものの2つがあります。違いは、日弁連が作成したものの方が養育費が高額であるという点です。

これまで、裁判所が作成した養育費算定表は2003年に作られたものが使われていました。しかし、物価の上昇や生活に困窮するひとり親の家計が考慮され、2019年に金額の見直しが行われています。

養育費算定表はとても便利ですが、あくまでも目安であるという点にご注意ください。例えば、裁判所が作成している算定表は子どもが公立の学校に進学することを想定しています。さらに、医療費も一般的な治療費が考慮されているのみです。

ですから、私立学校に進学したり高額な医療費がかかったりする場合には、養育費は算定表のものよりも高額に設定するべきでしょう。

3-3.できるだけ多くの養育費をもらうには

自分のためにも子どものためにも、できるだけ多くの養育費をもらいたいと考えている方も多いと思います。養育費をできるだけ多く受け取るためには、4つのポイントがあります。

1つ目は、相手の年収をしっかり把握しておくことです。先述した通り、養育費は自分の年収と相手の年収に大きく左右されます。そして、一般的には裁判をせずに夫婦の話し合いで決めることになるため、年収を証拠として把握しておくことが重要です。

2つ目は、弁護士に相談することです。2人の話し合いのみによって養育費を決定するよりも、第三者に協力してもらった方がより有利に話し合いを進めることができるはずです。
例えば、弁護士に入ってもらわず2人だけで養育費を決めるとなると、年収を少なく申告される可能性があります。しかし、弁護士に協力してもらえば正しい数字で計算してもらえるでしょう。 3つ目は、養育費の内訳を準備してから話し合いに臨むことです。先ほどご紹介した費用の内訳だけではなく、入学金などの一時的にかかる費用や大学受験費用や塾の費用まで、詳細に計画したものを用意しましょう。

4つ目は、話し合いで養育費を決めることを目指すということです。養育費算定表はあくまでも目安であり、夫婦の話し合いで金額を決めるのであれば養育費に上限はありません。
しかし、離婚調停や裁判によって養育費を決める場合、算定表をもとに金額が決まります。ですから、算定表よりも多くの養育費をもらいたい場合は話し合いによって養育費を決める方が良いでしょう。


4.ケース別養育費の相場

ここからは、裁判所ウェブサイトの養育費算定表をもとにケース別の養育費をご紹介します。以下の3つをご用意してからご参考ください。

1. ご自身の年収
2. 相手方の年収
3. 子どもの人数・年齢

年収についてはおおよそを把握していれば問題ありません。

4-1.相手の年収が400万円の場合

相手(親権を持たない非監護親)が会社員などの給与所得者で、年収400万円の場合は以下の通りです。

子どもの人数 子どもの年齢 あなたの年収
0円 100万円 200万円 300万円
1人 14歳以下 4〜6万円 4〜6万円 2〜4万円 2〜4万円
15歳以上 4〜6万円 4〜6万円 2〜4万円 2〜4万円
2人 14歳以下が2人 6〜8万円 4〜6万円 4〜6万円 4〜6万円
14歳以下が1人・15歳以上が1人 8〜10万円 6〜8万円 4〜6万円 4〜6万円
15歳以上が2人 8〜10万円 6〜8万円 4〜6万円 4〜6万円
3人 14歳以下が3人 8〜10万円 6〜8万円 6〜8万円 4〜6万円
14歳以下が2人・15歳以上が1人 8〜10万円 6〜8万円 6〜8万円 4〜6万円
14歳以下が1人・15歳以上が2人 8〜10万円 6〜8万円 6〜8万円 4〜6万円
15歳以上が3人 10〜12万円 6〜8万円 6〜8万円 4〜6万円

この記事を読んでいるあなたの年収が0〜300万円の場合、子どもの人数や年齢によって異なりますが2〜12万円の養育費を受給することができます。

続いて、相手(親権を持たない非監護親)が経営者などの自営業者で、年収400万円の場合は以下の通りです。
子どもの人数 子どもの年齢 あなたの年収
0円 100万円 200万円 300万円
1人 14歳以下 6〜8万円 4〜6万円 4〜6万円 4〜6万円
15歳以上 8〜10万円 6〜8万円 6〜8万円 4〜6万円
2人 14歳以下が2人 10〜12万円 8〜10万円 6〜8万円 6〜8万円
14歳以下が1人・15歳以上が1人 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円 6〜8万円
15歳以上が2人 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円 6〜8万円
3人 14歳以下が3人 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円 6〜8万円
14歳以下が2人・15歳以上が1人 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円
14歳以下が1人・15歳以上が2人 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円
15歳以上が3人 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円

あなたの年収が0〜300万円で相手の年収が自営業者で400万円の場合、4〜14万円の養育費を受給することができます。

4-2.相手の年収が600万円の場合

相手が会社員などの給与所得者で、年収600万円の場合は以下の通りです。
子どもの人数 子どもの年齢 あなたの年収
0円 100万円 200万円 300万円
1人 14歳以下 6〜8万円 6〜8万円 4〜6万円 4〜6万円
15歳以上 8〜10万円 6〜8万円 6〜8万円 6〜8万円
2人 14歳以下が2人 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円 6〜8万円
14歳以下が1人・15歳以上が1人 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円
15歳以上が2人 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円
3人 14歳以下が3人 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円
14歳以下が2人・15歳以上が1人 14〜16万円 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円
14歳以下が1人・15歳以上が2人 14〜16万円 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円
15歳以上が3人 14〜16万円 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円

あなたの年収が0〜300万円で相手の年収が給与所得者で600万円の場合、4〜16万円の養育費を受け取ることができます。

続いて、相手が経営者などの自営業者で年収600万円の場合は以下の通りです。
子どもの人数 子どもの年齢 あなたの年収
0円 100万円 200万円 300万円
1人 14歳以下 10〜12万円 8〜10万円 6〜8万円 6〜8万円
15歳以上 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円
2人 14歳以下が2人 14〜16万円 12〜14万円 10〜12万円 10〜12万円
14歳以下が1人・15歳以上が1人 14〜16万円 12〜14万円 12〜14万円 10〜12万円
15歳以上が2人 16〜18万円 14〜16万円 12〜14万円 12〜14万円
3人 14歳以下が3人 16〜18万円 14〜16万円 12〜14万円 12〜14万円
14歳以下が2人・15歳以上が1人 18〜20万円 14〜16万円 14〜16万円 12〜14万円
14歳以下が1人・15歳以上が2人 18〜20万円 16〜18万円 14〜16万円 12〜14万円
15歳以上が3人 18〜20万円 14〜16万円 14〜16万円 12〜14万円

あなたの年収が0〜300万円で相手の年収が自営業者で600万円の場合、6〜20万円の養育費を受け取ることができます。

4-3.相手の年収が800万円の場合

相手が会社員などの給与所得者で、年収800万円の場合は以下の通りです。
子どもの人数 子どもの年齢 あなたの年収
0円 100万円 200万円 300万円
1人 14歳以下 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円 6〜8万円
15歳以上 12〜14万円 10〜12万円 8〜10万円 8〜10万円
2人 14歳以下が2人 14〜16万円 12〜14万円 10〜12万円 10〜12万円
14歳以下が1人・15歳以上が1人 14〜16万円 12〜14万円 12〜14万円 10〜12万円
15歳以上が2人 16〜18万円 14〜16万円 12〜14万円 12〜14万円
3人 14歳以下が3人 16〜18万円 14〜16万円 12〜14万円 12〜14万円
14歳以下が2人・15歳以上が1人 18〜20万円 14〜16万円 14〜16万円 12〜14万円
14歳以下が1人・15歳以上が2人 18〜20万円 16〜18万円 14〜16万円 12〜14万円
15歳以上が3人 18〜20万円 14〜16万円 14〜16万円 12〜14万円

あなたの年収が0〜300万円で相手の年収が給与所得者で800万円の場合、6〜20万円の養育費を受け取ることができます。

続いて、相手が経営者などの自営業者で年収800万円の場合は以下の通りです。
子どもの人数 子どもの年齢 あなたの年収
0円 100万円 200万円 300万円
1人 14歳以下 12〜14万円 10〜12万円 10〜12万円 10〜12万円
15歳以上 16〜18万円 14〜16万円 12〜14万円 12〜14万円
2人 14歳以下が2人 18〜20万円 16〜18万円 16〜18万円 14〜16万円
14歳以下が1人・15歳以上が1人 20〜22万円 18〜20万円 16〜18万円 16〜18万円
15歳以上が2人 22〜24万円 18〜20万円 18〜20万円 16〜18万円
3人 14歳以下が3人 22〜24万円 20〜22万円 18〜20万円 16〜18万円
14歳以下が2人・15歳以上が1人 22〜24万円 20〜22万円 18〜20万円 18〜20万円
14歳以下が1人・15歳以上が2人 24〜26万円 20〜22万円 20〜22万円 18〜20万円
15歳以上が3人 24〜26万円 22〜24万円 20〜22万円 18〜20万円

あなたの年収が0〜300万円で相手の年収が自営業者で800万円の場合、10〜26万円の養育費を受け取ることができます。

4-4.相手の年収が1,000万円の場合

相手が会社員などの給与所得者で、年収1000万円の場合は以下の通りです。
子どもの人数 子どもの年齢 あなたの年収
0円 100万円 200万円 300万円
1人 14歳以下 12〜14万円 10〜12万円 10〜12万円 8〜10万円
15歳以上 14〜16万円 12〜14万円 12〜14万円 10〜12万円
2人 14歳以下が2人 18〜20万円 16〜18万円 14〜16万円 14〜16万円
14歳以下が1人・15歳以上が1人 18〜20万円 16〜18万円 16〜18万円 14〜16万円
15歳以上が2人 20〜22万円 18〜20万円 16〜18万円 16〜18万円
3人 14歳以下が3人 20〜22万円 18〜20万円 16〜18万円 16〜18万円
14歳以下が2人・15歳以上が1人 22〜24万円 20〜22万円 18〜20万円 16〜18万円
14歳以下が1人・15歳以上が2人 22〜24万円 20〜22万円 18〜20万円 16〜18万円
15歳以上が3人 24〜26万円 20〜22万円 18〜20万円 18〜20万円

あなたの年収が0〜300万円で相手の年収が給与所得者で1000万円の場合、8〜26万円の養育費を受け取ることができます。

続いて、相手が経営者などの自営業者で年収1000万円の場合は以下の通りです。
子どもの人数 子どもの年齢 あなたの年収
0円 100万円 200万円 300万円
1人 14歳以下 16〜18万円 14〜16万円 14〜16万円 12〜14万円
15歳以上 18〜20万円 16〜18万円 16〜18万円 14〜16万円
2人 14歳以下が2人 22〜24万円 20〜22万円 20〜22万円 18〜20万円
14歳以下が1人・15歳以上が1人 24〜26万円 22〜24万円 20〜22万円 20〜22万円
15歳以上が2人 26〜28万円 24〜26万円 22〜24万円 20〜22万円
3人 14歳以下が3人 26〜28万円 24〜26万円 22〜24万円 22〜24万円
14歳以下が2人・15歳以上が1人 28〜30万円 26〜28万円 24〜26万円 22〜24万円
14歳以下が1人・15歳以上が2人 28〜30万円 26〜28万円 24〜26万円 24〜26万円
15歳以上が3人 30〜32万円 28〜30万円 26〜28万円 24〜26万円

あなたの年収が0〜300万円で相手の年収が自営業者で1000万円の場合、12〜32万円の養育費を受け取ることができます。


5.養育費の金額が変わることもある

5-1.増額するパターン

養育費が増額するパターンとしては、以下のようなものがあります。

● 子どもの教育費用が高くなった場合
● 子どもの医療費が必要になった場合
● 親権を持つ親の年収が大幅に下がった場合
● 親権を持たない親の年収が大幅に上がった場合

これらの事情を踏まえた上で、再度話し合いをする必要があります。相手の年収が大幅に上がったにも関わらず養育費を増額しない場合、裁判や調停という手段も可能です。

5-2.減額するパターン

養育費が減額するパターンとしては、以下のような例があります。

● 親権を持つ親の年収が上がった場合
● 親権を持たない親の年収が下がった場合
● 親権を持つ親が再婚し、子どもが再婚相手と養子縁組をした場合
● 物価が上昇した場合

減額の場合も、増額の場合と同じく話し合いをして養育費の減額を決める必要があります。

ひとり親waccaの掲示板には以下のような相談がありました。
「養育費が一方的に減額されそう」
滞りなく受け取っていた養育費が、相手方の給料が減ったなどの理由で減額しますと一方的な手紙が届きました。(続きは以下を参照)
出典:ひとり親wacca 心のヘルプ

相手方の給料の減額は、養育費が減額する理由になります。しかし、一方的に養育費の減額を決めることはできないため、この場合は弁護士などに相談することをおすすめします。

6.よくある質問

養育費につき、シングルマザー・シングルファザーの方々からよくある質問を以下に記載します。

6-1.再婚したらどうなるの?

例えば、あなたがシングルマザーで子どもを育てていて、ある時いい人と巡り合い再婚します。そして、子どもが再婚相手と養子縁組をした場合について解説します。

この場合、子どもは再婚相手の扶養に入ることになるため、元夫からもらっている養育費は減額されるか支払義務がなくなることになります。

6-2.養育費が支払われなかったら?

離婚の際に養育費についての取り決めを行っていたにも関わらず、養育費が支払われなかった場合、強制執行などによって差し押さえることが可能です。

取り決めを行っていなかった場合は、離婚後でも請求することができるので、まずは話し合いをするところから始めましょう。

6-3.過去に遡ってもらうことはできる?

今まで養育費をもらっていない場合、過去に遡って受け取れるかどうかは、離婚時に取り決めをしているかどうかによって異なります。

離婚時に養育費の取り決めをしていたにも関わらず、養育費を支払わない場合は未払いの分を請求することが可能です。

しかし、養育費の取り決めをおこなっていない場合、夫婦の話し合いによって合意が取れた場合のみもらうことが可能です。仮に、話し合いがまとまらず裁判所に調停を申し立てた場合、過去の分の養育費は受け取れないことが一般的となっています。

6-4.妊娠中の子の養育費はどうなる?

妊娠中に離婚した場合、離婚から300日以内に出産した子どもについては元夫に扶養義務があるため養育費を請求することが可能です。

離婚から300日経過した後に出産した場合、元夫が実父であったとしても養育費を請求することはできません。ただし、元夫が子どもを認知した場合は養育費を請求することができます。

6-5.養育費と慰謝料は相殺できる?

例えば、あなたが元妻に浮気をされて親権は元妻にある場合、あなたは慰謝料をもらうことになるでしょう。しかし、子どもの養育費を支払う義務があなたにはあります。

この場合、もらう分の慰謝料と払う分の養育費を相殺することはできるのでしょうか。

結論から言うと、養育費と慰謝料を相殺することはできません。なぜなら、慰謝料は夫婦の問題であり、子どもが自立するために必要である養育費とは性質が異なるからです。


7.まとめ|算定表はあくまで目安

ここまで養育費とはそのそも何か、その相場、計算方法や具体的なパターンについて解説し、養育費に関するよくある質問について記載してきました。

養育費は、両親の年収・子どもの人数・子どもの年齢などによって左右されます。養育費の取り決めをする際は、相場を裁判所等が作成した算定表をご参考ください。

ただし、養育費算定表はあくまでも目安であり、最終的には夫婦の話し合いによって決まるということにご注意ください。

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