シングルマザー(母子家庭)は学費支援制度を上手く活用しよう!学費を確保するコツも解説

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シングルマザー(母子家庭)は学費支援制度を上手く活用しよう!学費を確保するコツも解説

シングルマザー(母子家庭)において、子どもの将来の学費は心配ごとの一つですね。学費を確保する工夫も必要ですが、支援制度を上手く活用することによって、学費に関する不安を軽減できます。

この記事を読めば、
• シングルマザー(母子家庭)が認識すべき子供の学費
• シングルマザー(母子家庭)が利用できる学費の支援・免除制度
• シングルマザー(母子家庭)が学費を確保するコツ が分かります。お子様の学費でお悩みの方、将来のお子様の学費について不安を感じている方、ぜひ最後までお読みください。

なお、当社が運営する「wacca」では、ひとり親家庭に向けた各種サポートを提供しています。メンバー同士の助け合いを通して、シングルマザー(母子家庭)やシングルファザー(父子家庭)の抱える問題を解決することが目的です。

お子様の学費等で悩まれているシングルマザー(母子家庭)やシングルファザー(父子家庭)の皆様は、一度コミュニティにご参加ください。あなたと同じ境遇の仲間や支援者が、具体的な解決策を提案いたします。

1.シングルマザーが知っておきたい学費の目安

子どもの学費を考える上で、将来的にどのくらい必要になるかを知っておくことが大切です。「公立、私立を気にせず好きな学校に進ませたい」「大学まで行かせたい」など、将来設計に合わせて学費の目安を把握しておけば、計画的に費用を捻出できます。

子どもの学費については、文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」と独立行政法人 日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果 大学昼間部(速報値)」を参考に見ていきましょう。

まず学費が発生するのは、保育園または幼稚園を利用する場合で、文部科学省の調査では幼稚園の学習費が報告されています。私立幼稚園の場合、公立幼稚園よりも倍以上の学習費が発生するのが特徴です。

項目 費用
公立幼稚園 223,647円(総額)
私立幼稚園 527,916円(総額)

小学校・中学校が義務教育で授業料はかかりませんが、教材費や制服代、修学旅行代などがかかります。公立・私立それぞれの学習費は、以下の通りです。

小学校 中学校 合計
公立 1,927,686円 1,465,191円 3,392,877円
私立 9,592,146円 4,219,299円 13,811,445円

※1年あたりの学習費をそれぞれ通学期間に合わせて計算しています。

小学校は、幼稚園よりも公立と私立の差が大きく、どちらとも私立に通った場合、公立の約3倍以上の学習費がかかるという結果が出ています。

高等学校に進学する場合も、公立か私立かで学費が変わってきます。それぞれの学費は、以下の通りです。

項目 費用
公立高等学校 1,372,140円
私立高等学校 2,909,733円

※1年あたりの学費をそれぞれ通学期間に合わせて計算しています。

高等学校の学費は、次で解説する高校生等奨学給付金や高等教育就学新制度などを利用できるため、家庭によって異なります。一般的には、私立の方が高額で、公立の2倍以上の学費が必要になるでしょう。

高等学校から大学に進学する場合には、国立大学・公立大学・私立大学に分かれます。独立行政法人 日本学生支援機構の調査の「居住形態別・収入平均額及び学生生活費の内訳(大学昼間部)」における、支出の平均額は以下の通りです。

項目 費用
国立大学 5,727,200円
公立大学 5,491,600円
私立大学 7,714,400円

※1年あたりの学費をそれぞれ通学期間(4年)に合わせて計算しています。

大学の学費については、同じ大学でも学部やカリキュラムによっても変わります。通学期間が4年よりも長い場合があったり、大学院に進んだりすることも考えると、人によって様々です。

各段階での学費を紹介したところで、すべて公立の場合、私立の場合に分けて、総額の目安を見ていきましょう。

公立 私立
幼稚園 223,647円 527,916円
小学校 1,927,686円 9,592,146円
中学校 1,465,191円 4,219,299円
高等学校 1,372,140円 2,909,733円
大学 5,727,200円 7,714,400円
合計 10,715,864円 24,963,494円

※大学は国立、4年制とします。

進学する学校や進路選択などによって、子ども一人ひとりにかかる学費は変わりますが、すべて公立の場合でも約1,000万円はかかる計算になります。当然、私立の場合はさらに学費が必要になるので、子どもの将来を見据えて、早め早めの備えが必要です。

参照:
文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」
独立行政法人 日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果 大学昼間部(速報値)」

2.シングルマザーが活用したい学費の支援・免除制度

シングルマザーが活用したい学費の支援・免除制度には、返済が必要ない給付型、返済が必要な貸与型があります。主な制度のタイプと利用できるタイミングは以下の通りです。

タイプ 制度名 利用可能タイミング
中学生 高校生 大学生
給付型・貸与型 奨学金(JASSO 独立行政法人日本学生支援機構)
自治体の学費支援制度
給付型 高校生等奨学給付金
高等教育の修学支援新制度
夢を応援基金(ひとり親家庭支援奨学金制度)
貸与型 新聞奨学生
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
生活福祉資金
国の教育ローン(教育一般貸付)

以降、上記表におけるそれぞれの制度について個別に詳細を説明いたします。

2-1.【給付型・貸与型】奨学金(JASSO 独立行政法人日本学生支援機構)

独立行政法人日本学生支援機構では、返済不要の給付奨学金、返済必要の貸与奨学金を提供しています。

2-1-1.給付奨学金

給付奨学金は2020年4月にスタートした新しい制度で、世帯収入の基準を満たし、学ぶ意欲が認められれば、大学・専門学校などの授業料・入学金が免除または減額されるのが特徴です。申し込みは、進学前の予約採用と進学後の在学採用に分かれています。それぞれの申込資格や学力基準、家計基準は、以下の通りです。

【進学前(予約採用)】
項目 費用
申込資格 ・年度末に高等学校等(本科)を卒業予定の人
・高等学校等(本科)を卒業後2年以内の人 など
学力基準 ・全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上
・将来、社会で自立し、及び活躍する目標をもって、進学しようとする大学等における学修意欲を有すること(面談またはレポートで確認)
家計基準 【収入基準】
・第一区分:あなたと生計維持者の市町村民税所得割が非課税
・第二区分:あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円以上25,600円未満
・第三区分:あなたと生計維持者の支給額算定基準額(※3)の合計が25,600円以上51,300円未満

【資産基準】申込日時点のあなたと生計維持者(2人)の資産額の合計が 2,000万円未満(生計維持者が1人のときは1,250万円未満)


【進学後(在学採用)】
項目 費用
申込資格 ・高等学校等を初めて卒業(修了)した日の属する年度の翌年度の末日から大学等へ入学した日までの期間が2年を経過していない人
・高等学校卒業程度認定試験の受験資格を取得した年度(16歳となる年度)の初日から認定試験に合格した日の属する年度の末日までの期間が5年を経過していない人で、かつ認定試験に合格した日の属する年度の翌年度の末日から大学等へ入学した日までの期間が2年を経過していない人 など
学力基準 【1年次】
・評定平均値が3.5以上であること、又は、入学者選抜試験の成績が入学者の上位2分の1の範囲に属すること
・高等学校卒業程度認定試験の合格者であること
・将来、社会で自立し、活躍する目標を持って学修する意欲を有していることが、学修計画書等により確認できること

【2年次以上】
・GPA(平均成績)等が在学する学部等における上位2分の1の範囲に属すること
・修得した単位数が標準単位数以上であり、かつ、将来、社会で自立し、活躍する目標を持って学修する意欲を有していることが、学修計画書により確認できること
家計基準 【収入基準】
・第一区分:あなたと生計維持者の市町村民税所得割が非課税
・第二区分:あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円以上25,600円未満
・第三区分:あなたと生計維持者の支給額算定基準額(※3)の合計が25,600円以上51,300円未満

【資産基準】
申込日時点のあなたと生計維持者(2人)の資産額の合計が 2,000万円未満(生計維持者が1人のときは1,250万円未満)


支給額は、予約採用と在学採用共通です。家計基準や通学方法、公立または私立などで異なるので、しっかり確認しましょう。(以下は月額で、それが毎月振り込まれます)

【国公立】
学校 区分 自宅通学 自宅外通学
大学・専修学校 第一区分 29,200円 66,700円
第二区分 19,500円 44,500円
第三区分 9,800円 22,300円
高等専門学校 第一区分 17,500円 34,200円
第二区分 11,700円 22,800円
第三区分 5,900円 11,400円

【私立】
学校 区分 自宅通学 自宅外通学
大学・専修学校 第一区分 38,300円 75,800円
第二区分 25,600円 50,600円
第三区分 12,800円 25,300円
高等専門学校 第一区分 26,700円 43,300円
第二区分 17,800円 28,900円
第三区分 8,900円 14,500円

独立行政法人 日本学生支援機構「給付奨学金(返済不要)」

2-1-2.貸与奨学金

貸与奨学金は、国内の奨学金と海外留学のための奨学金に分かれています。国内の奨学金は、利子のない第一種、利子のある第二種に加えて、入学時の一時金を貸与する入学時特別増額貸与奨学金(利子付)の3種類です。第一種奨学金の申込資格や学力基準、家計基準、支給額などは、下記の表を参考にしてください。

【第一種奨学金(無利子)】
〇進学前(予約採用)
項目 費用
申込資格 ・令和4年3月末に高等学校または専修学校(高等課程)を卒業する予定の人
・高等学校または専修学校(高等課程)を卒業後2年以内の人
・高等学校卒業程度認定試験に合格した人、科目合格者で機構の定める基準に該当する人、または出願者
学力基準 ・高等学校等における申込時までの全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること。
・高等学校卒業程度認定試験合格者であること。
家計基準 ・世帯人数3人:給与所得657万円、給与所得以外286万円
・世帯人数4人:給与所得747万円、給与所得以外349万円
・世帯人数5人:給与所得922万円、給与所得以外514万円


〇進学後(在学採用)
項目 費用
申込資格 正科生であって、経済的理由により修学に困難で優れた学生等であると認められる人
学力基準 【2021年度入学者】
・高等学校または専修学校高等課程最終2か年の成績の平均が3.5(専修学校(専門課程)の場合は3.2)以上であること
・高等学校卒業程度認定試験に合格者であること
・生計維持者の住民税が非課税であって、以下のいずれかに該当すること
※特定の分野において特に優れた資質能力を有し、特に優れた学習成績を修める見込みがあること
※学修に意欲があり、特に優れた学習成績を修める見込みがあること

【2017~2020年度入学者】
・本人の属する学部(科)の上位3分の1以内であること
・生計維持者の住民税が非課税であって、以下のいずれかに該当すること
※特定の分野において特に優れた資質能力を有し、特に優れた学習成績を修める見込みがあること
※学修に意欲があり、特に優れた学習成績を修める見込みがあること


第一種奨学金の進学後(在学採用)については、家計基準が進学先、通学の方法などによって細かく分類されています。詳しくは、下記のリンクを参考にしてください。
進学後(在学採用)の第一種奨学金の家計基準

第二種奨学金の申込資格は、第一種奨学金と共通です。ここでは貸与月額、学力基準などを見ていきましょう。

【貸与月額】
進学先 費用
大学 月額20,000円~120,000円
短期大学 月額20,000円~120,000円
大学院 月額50,000円、80,000円、100,000円、130,000円または150,000円
高等専門学校 本科4,5年生のみ 月額20,000円~120,000円
専修学校 月額20,000円~120,000円

【学力基準】
項目 内容
進学前(予約採用) ・高等学校または専修学校(高等課程)における学業成績が平均水準以上と認められる者
・特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる者
・進学先の学校における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる者
・高等学校卒業程度認定試験合格者であること。
進学後(在学採用) 【大学・短期大学・専修学校(専門課程)に在籍】
・出身学校または在籍する学校における成績が平均水準以上と認められること
・特定の分野において、特に優れた資質能力を有すると認められること
・学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められること
・高等学校卒業程度認定試験合格者で、上記のいずれかに準ずると認められること

【高等専門学校に在籍】
・出身学校または在籍する学校における成績が平均水準以上と認められること
・特定の分野において、特に優れた資質能力を有すると認められること
・学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められること

【進学前(予約採用)の家計基準】
世帯人数 給与所得 給与所得以外
3人 1,009万円 601万円
4人 1,100万円 692万円
5人 1,300万円 892万円

第二種奨学金の進学後(在学採用)についても、家計基準は進学先、通学の方法などによって様々です。詳しくは、下記のリンクを確認しましょう。
進学後(在学採用)の第二種奨学金の家計基準
独立行政法人 日本学生支援機構「貸与奨学金(返済必要)」

2-2.【給付型・貸与型】自治体の学費支援制度

自治体単位でも、学費の支援制度を設けている場合があります。自治体によって、制度の種類やそれぞれの要件、限度額などが異なるので、お住まいの自治体で実施している制度を確認しましょう。

以下は、神奈川県で実施されている制度の例です。どのような制度があるのか、参考として確認してみてください。

【高等学校等就学支援金】
項目 内容
対象校 ・高等学校
・中等教育学校(後期課程)
・専修学校(高等課程)
・特別支援学校(高等部)
・高等専門学校(第1学年から第3学年)
・専修学校(一般課程)
・各種学校で一定の国家資格者養成施設の指定校
対象者 対象校在学の生徒
補助額 118,800円または396,000円
申し込み時期 4月及び6月 ※学校によって違いあり
申し込み方法 在学する学校へ申請書類を提出

【神奈川県高等学校奨学金】
項目 内容
対象 ・県内在住かつ、県内の高等学校等に在学
・保護者が県内在住かつ、高等学校等または専修学校の高等課程に在学
応募要件 保護者の年収合計が800万円未満程度
貸付額 ・新1年生:月額10,000円、20,000円、30,000円または40,000円から選択
・2年生以上:月額10,000円、20,000円または30,000円から選択
申し込み方法 1.各学校の奨学金担当者(担任など)に問い合わせ
2.連帯保証人を2人用意する(保護者1人、別生計の者1人)
3.定期採用の募集期限(4月)までに申し込む

【神奈川県私立高等学校等生徒学費補助金】
項目 内容
対象者 対象校に在学かつ、生徒と保護者が神奈川県在住
申込方法 在学する学校へ申請書類を提出
申込時期 ・6月 ※学校によって違いあり
補助額 ・授業料補助額:48,000円~325,200円
・入学金補助額:100,000円~208,000円
対象校(神奈川県内) ・私立の高等学校
・中等教育学校(後期課程)
・専修学校(高等課程)


神奈川県「私立学校学費支援制度のご紹介」

2-3.【給付型】高校生等奨学給付金

高校生等奨学給付金は、平成26年度から始まった支援制度です。生活保護受給世帯、非課税世帯の生徒を対象に、授業料以外の教育費を支援する目的で実施されています。

生活保護受給世帯と非課税世帯、国立・公立高等学校在学と非課税世帯で支給額が異なるので、下記の表を確認しましょう。

世帯 金額(年額)
生活保護受給世帯【全日制等・通信制】 ・国立、公立高等学校:32,300円
・私立高等学校:52,600円
非課税世帯【全日制等】(第一子) ・国立、公立高等学校:110,100円
・私立高等学校:129,600円
非課税世帯【全日制等】(第二子以降) ・国立、公立高等学校:141,700円
・私立高等学校:150,000円
非課税世帯【通信制・専攻科】 ・国立、公立高等学校:48,500円
・私立高等学校:50,100円

問い合わせ先は、各都道府県に設置されています。各都道府県のWebサイトや各教育委員会で対応しているので、下記の問い合わせ先一覧から確認してみてください。
高校生等奨学給付金のお問合せ先一覧
文部科学省「高校生等奨学給付金」
高校生等奨学給付金リーフレット

2-4.【給付型】高等教育の修学支援新制度

高等教育の修学支援新制度は、非課税世帯またはそれに準ずる世帯の学生を対象に、大学や専門学校などで学ぶための支援です。

授業料・入学金の免除、授業料等減免、給付型奨学金の支給を行っています。世帯収入以外に、勉学に励む意思を求められるのが特徴です。経済的に困窮していても真面目に学業に取り組む生徒を支援する制度であるため、成績が悪かったり、出席していなかったりした場合には支援の打ち切りや返還を求められることがあるので注意しましょう。

高校3年生や高校卒業後2年を経過していない人を対象としているので、進学に向けて浪人している場合にも利用可能です。他の支援制度との併用に制限はありません。

給付型奨学金については、進学する前年の4月下旬からJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)に高等学校を通じて申し込みを行い、秋ごろに候補者が決定されます。授業料減免は、入学したときに進学先で申し込む仕組みです。

項目 内容
対象者 ・住民税非課税世帯:年収270万円または300万円以下
・それに準ずる世帯の学生:年収300万円または400万円以下、380万円または460万円以下
要件 ・日本国籍、法定特別永住者、永住者等又は永住の意思が認められる定住者であること
・高等学校等を卒業してから2年の間までに大学等に入学を認められ、進学した者であって、過去において本制度の支援措置を受けたことがないこと
支援額 ・住民税非課税世帯:満額
・それに準ずる世帯の学生:満額の1/3~2/3

文部科学省「高等教育の修学支援新制度」

2-5.【給付型】夢を応援基金(ひとり親家庭支援奨学金制度)

民間企業が実施するひとり親家庭支援奨学金制度を利用するのも方法のひとつです。募集する奨学生の数には限りがありますが、返済不要かつ併用可で教育資金の支援を受けられます。

応募は、全国母子寡婦福祉団体協議会に問い合わせて申請用紙を取得し、締切までに送付するという流れです。
下記の制度は、株式会社ローソンが2021年度に実施したものです。今後、他の企業が実施する可能性もあるので、募集が行われていないかこまめにチェックしておきましょう。

項目 内容
対象者 ・中学校3年生
・高等学校、高等専門学校、特別支援学校(高等部)1~3年生
応募資格 ・ひとり親世帯
・夢を実現するための意欲があり、社会貢献への積極的な姿勢のある品行方正な生徒である
・全国母子寡婦福祉団体協議会(全母子協)加盟団体 (居住地の団体)の会員、 及び入会を希望される方の子ども
・会員登録している加盟団体、及び入会を希望する団体代表者が 奨学生として推薦するに相応しい生徒
支援額 月額30,000円 ※返還不要、併用可能

LAWSON「夢を応援基金(ひとり親家庭支援奨学金制度)」

2-6.【貸与型】新聞奨学生

新聞奨学生とは、奨学会(新聞社)が実施している制度です。奨学会が学費を立て替える代わりに、奨学生は新聞配達を行い、給与から奨学金を差し引くというシステムになっています。

一般的な奨学金は、卒業後に返還する必要があり、多額の奨学金によって貧困に陥る例もあります。その点、新聞奨学生は在学中に働きながら返済できるので、卒業後の返還は必要ありません。また、販売店内や周辺に部屋を用意してくれるため、家賃や食費などに困ることも少ないです。

就職活動時には新聞社から就職推薦状が発行され、就職で有利に働くこともあります。新聞配達と学業を両立した経験も将来に生かされるでしょう。

手続きするためには、まず資料請求が必要です。志望校が決まったら申し込みを行い、審査や面接を経て、新聞奨学生が決定されます。勤務先決定後は、販売店に所属し、研修などを行い、学業と両立した生活が始まります。

新聞奨学生ガイド

2-7.【貸与型】母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、地方公共団体の福祉担当窓口で取り扱っている制度です。事業開始資金や事業継続資金などいくつかの資金に分かれていて、学費支援には修学資金が該当します。

母子家庭または父子家庭の児童、父母のない児童を対象に、授業料や書籍代、交通費などに必要な資金を援助する制度です。手続きを行う際は、お住まいの役場の福祉担当窓口に問い合わせを行いましょう。

支援の限度額は、就学する学校の種類によって異なります。詳しい金額は、下記の表を参考にしてみてください。

項目 内容
対象 ・母子家庭の母が扶養する児童
・父子家庭の父が扶養する児童
・父母のない児童
・寡婦が扶養する子
限度額(年額) ・高校、専修学校(高等課程):52,500円
・高等専門学校:1~3年52,500円、4~5年115,000円
・専修学校(専門課程):126,500円
・短期大学:131,000円
・大学:146,000円
・大学院(修士課程):132,000円
・大学院(博士課程):183,000円
・専修学校(一般課程):51,000円
貸付期間 就学期間中
償還期間 20年以内 ※専修学校(一般過程)は5年以内
利率 無利子

男女共同参画局「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」

2-8.【貸与型】生活福祉資金

生活福祉資金では、低所得者世帯や障害者世帯、高齢者世帯を対象に資金の貸付を行っています。制度全体の概要は以下の通りです。

【生活福祉資金】
項目 内容
対象 ・低所得者世帯
・障害者世帯
・高齢者世帯
種類 ・総合支援資金
・福祉資金
・教育支援金
・不動産担保型生活資金
連帯保証人 原則必要
貸付金利子 ・連帯保証人あり:無利子
・連帯保証人なし:年1.5%
※教育支援資金、緊急小口資金は無利子

厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」

生活福祉資金には上記のようにいくつか種類がありますが学費支援に関わるのは教育支援資金です。教育支援資金は、教育支援費と就学支度費に分かれ、限度額が異なります。詳細は、下記の表を確認してください。

【教育支援資金】
種類 限度額
教育支援金 ・・高校:月3.5万円
・高専:月6万円
・短大:月6万円
・大学:月6.5万円
就学支度費 50万円

厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」

申し込みは、お住いの地域にある市区町村社会福祉協議会で行います。相談・申し込みを行い、市区町村社会福祉協議会から都道府県社会福祉協議会へ申請書類などが送付され、貸付の審査・決定を行うという流れです。貸付決定後の借用書の提出や貸付金交付、返済などは、都道府県社会福祉協議会との間で行われます。

2-9.【貸与型】国の教育ローン(教育一般貸付)

日本政策金融公庫では、教育ローンを提供しています。子供1人あたり350万円までの借入が可能で、様々なニーズや進学先への資金に利用可能です。

手続きは、インターネットから24時間いつでも申込でき、郵送でも契約できます。来店不要で手続きを完了できるので、来店する時間がない人でも利用しやすいです。

項目 内容
対象者の年収上限額 ・子供1人:790万円
・子供2人:890万円
・子供3人:990万円
・子供4人:1,090万円
・子供5人:1,190万円
対象校 ・大学、大学院、短期大学
・専修学校、予備校、デザイン学校など
・高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
・外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校など
・その他職業能力開発校などの教育施設
融資限度額 ・子供1人あたり350万円
※自宅外通学、修業年限5年以上の大学、大学院、海外留学の場合は450万円
金利 年1.65%
保証 (公財)教育資金融資保証基金または連帯保証人
返済期間 15年以内 
※条件を満たした場合は18年以内

日本政策金融公庫「教育一般貸付 (国の教育ローン)」

3.シングルマザー(母子家庭)で学費を貯めるコツ

支援・免除制度を活用するだけではなく、賢く学費を確保することで将来の出費の不安が少なくなります。ここでは、シングルマザー家庭で学費を貯める3つのコツをご紹介します。

・使える制度を最大限に活用する
・無理なく節約を始める
・お金を貯蓄・運用する

学費を貯めるコツについては、以下の記事でも解説しているので、合わせてチェックしてみましょう。
シングルマザー(母子家庭)の目標貯金額と貯金方法

3-1.使える制度を最大限に活用する

学費だけではなく、子育てや生活のために様々な費用が必要になります。子供はもちろん、自身も健康に生活するためには、学費のために生活を切り詰めるよりも、制度を活用して無理なく生活も両立することが大切です。

シングルマザーなどひとり親を対象とした支援・手当・援助制度は数多くあります。それぞれ対象者や条件、金額などは異なるものの、生活費を補填し、学費を確保しておくために有効な手段です。

シングルマザー向けの制度については、下記の記事でまとめています。ぜひチェックして、利用できる制度を活用してみてください。
シングルマザー(母子家庭)が利用できる手当・支援制度のまとめ

3-2.無理なく節約を始める

子供の学費のために生活を切り詰めるのは得策ではありません。自分自身が体調を崩したり、子供の希望を叶えられなかったりするなど、生活の不自由やストレスなどが起きるので、節約をするのであれば無理なく取り組みましょう。

節約を始めるときは、まず何にいくらお金を使っているかを可視化することが大切です。レシートやクレジットカードの明細、各種支払いの控えなどを参考に家計簿をつけましょう。月の収入に対して、何に多く使っているかが明らかになり、節約できる部分が見えてきます。

例えば、電気代やガス代が高くなっているなら、電力会社やガス会社を切り替えて、料金を見直すのが効果的です。その他にも、食費や携帯電話料金など、見直せる部分は多くあります。現在の家計をチェックして、削れる部分から節約を始めましょう。

3-3.お金を貯蓄・運用する

収入で家計を賄える場合は、各種手当を貯蓄に充てるのがおすすめです。返還義務のない手当や支援であれば、そのまま将来の学費に使うことができます。もちろん、家計で浮いたお金を学費として、別の口座に貯金するのも良い方法です。

この時、余裕があれば、貯金の運用も視野に入れてみましょう。預金口座の利率は限りなく0に近いため、貯金によって増えるお金はわずかです。そこで、学資保険やジュニアNISA、iDeco、つみたてNISAなどで資産運用することによって、上手くお金を増やせる可能性があります。

株やFXなどの投資とは違い、どれもリスクが低い方法です。ジュニアNISAとつみたてNISAは少額投資、学資保険は元本割れなし、iDecoは私的年金の確保という側面があります。非課税で利用できるものも多く、コストを最小限にして資産運用にチャレンジできるのがメリットです。

とはいえ、資産が増えるまでに時間がかかったり、思うように増えなかったりすることもあります。資産運用をするためには元手が必要になるので、無理に始めるのはやめましょう。家計と掛金の額やリスクなどを総合的に判断して、最適な方法を選ぶことが大切です。

4.まとめ|学費支援制度を活用しつつ無理なく節約や運用に取り組もう

幼稚園から大学までの学費は約1,000万円以上を想定する必要があり、シングルマザー家庭にとっては計画的に備えることが求められます。

学費支援制度は多くあり、学費に充てられるお金を賢く確保することが重要です。大学無償化に続いて、一部学生を対象にした高等学校無償化の動きもあり、今後制度が広がっていく可能性もあります。

支援制度を上手く活用しながら、無理なく節約や貯蓄・運用に取り組み、子供の希望を叶えられるように学費の準備を始めましょう。

5.私たちのサービス、waccaのご紹介

私たちは、ひとり親の方々が自分らしく笑顔で生きられる社会を作るため、「お金のヘルプ」と「心のヘルプ」を通じて、お金とこころの支援を行っております。

無料で、万が一の時の経済保障(がんや入院、失業)や入学・資格取得お祝い金をもらうことができ、また、同じひとり親同士が悩みを解決し合うコミュニティに参加できます。物品支援等も行なっています。

まずはこちらから、サービスの内容をご覧ください。

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