シングルマザー・シングルファザーインタビュー #1 / みんとさん

ひとり親 wacca

「でも、自分はひとりじゃないんだ」

wacca ユーザーインタビュー#1 / みんと さん

2020 年 5 月に誕生した“ソーシャルヘルプネットワーク”、wacca。
現在は、ひとり親の方々が支え合える場、また
ひとり親家庭が有志サポーターからの支えを得られる場作りを目指し、活動しています。
その輪がもっと広がっていくことを願って、wacca ユーザーであり
ひとり親として7年目を迎えた「みんとさん」にお話を伺ってみました。
みんとさんは、「おかねのヘルプ」の第1号申請者。
2020 年に“子宮頸部の異形成”と診断され、ひとり不安な思いを抱え手術に向かうなか
「でも、自分はひとりじゃないんだ」と感じられたそうです。

限界を超えて倒れたり、働きかたに疑問が生じたり...
大変な時もあったけど
結婚していた頃よりも、今はとても幸せなんです

wacca
メールでのやり取りはありましたけど、こうして顔を合わせられるのは初めてで、嬉しいですね! まずは、簡単な自己紹介をお願いしてもよろしいですか?

みんとさん
そうですね、よろしくお願いします!
今 32 歳で、ひとり親になって7年目を迎えています。
仕事は正社員で保育園の事務職に就いているんですが
児童扶養手当や元夫からの養育費などもあって
給料がさほど高くない中でも、貧困に喘いでいるような状況でもないんです。

wacca
なるほど、そうなんですね。

みんとさん
どちらかと言うと、私は
自分がひとり親であることについてあまり悲観していなくて。
良い人と結婚できた方は違うのかもしれないけれど
結婚していた頃より今の方が、幸せな暮らしができていると感じています。

wacca
今の生活に幸せを感じておられるというのは、何よりですよね。
ひとり親になってからの6年間、振り返ってみていかがですか?
やっぱり大変なことも多かったのでは...

みんとさん
「なんでこんなに働いてるのかな?!」...と思うことはありましたね(笑)
限界が分からなくて、頑張りすぎて突然倒れるとか。

wacca
みんとさん、明るいですよね。
内容に対して悲壮感があまり感じられないというか...(笑)

みんとさん
そうですね、だいぶポジティブな人間なんですよ(笑)
ただ、私はありがたいことに実家のサポートを受けられていて
ひとり親になってすぐの頃、2歳だった下の子のお世話を
母にお願いすることができたんですね。それが大きくて。
小学校に入ってからはお迎えもいらなくなったし
私も子どもたちとの時間を大切にしたいと思って、今の仕事に転職しました。
終業時間も以前より早くなったので、今は「すっごく大変!」ではなくなっています。

wacca
差し支えない範囲で結構ですので、
「ひとり親になる」と決断された背景について、教えて頂けますか?

みんとさん
私の場合は、結婚するまでがとても短かったんですよね。
よく知らないまま結婚してしまったから、時間が経つとともに
「あ、こんな人だったんだ...」というのがどんどん見えてきて。
今で言うモラハラがあったり、借金の督促状が届き続けたり...
後で分かったことだけど、浮気もかなりしていたみたいです。
6年半も一緒にいたのに、幸せだなと思ったことがなかったんですよ。
「これが最後だ!」と思っていた借金を返済したのに、また督促が来た時
「これ以上一緒にいても子どものためにならない」と思って、自分から切り出しました。

wacca
ご苦労が絶えなかったんですね...
“養育費が支払われている”という状態を不思議に思うくらいです。

みんとさん
なぜか今も養育費は支払われ続けてますね。
すぐなくなるだろうな...って思ってたんですけど、そこはちゃんとしてくれています。

「ひとりじゃないんだ」
ただお金を出してくれただけではなく
見知らぬ人たちが自分に心を寄せてくれた、それが嬉しかった

wacca
みんとさんの“wacca との出会い”って、どんなでした?

みんとさん
Facebook の広告で出てきたと思うんですよ。「なんだこれ?」という感じで。
よく分からないけど、とりあえず登録しました(笑)
ひとり親向けのパソコン教室に月1〜2度通って資格を取ったり
ひとり親家庭を対象とした野外活動に親子で参加したり、というのはありましたが
wacca の“お金のヘルプ”は私にとって新しくて、いいなあと感じたんですよ。
いざというときの保険じゃないですか、あれって。
すごくいい制度というか、とてもよく考えられているなあって思います。

wacca
ありがとうございます。そう受け取って頂けると、とても嬉しいです!
実際、みんとさんはご活用されましたよね。お金のヘルプ、第一号でした。

みんとさん
すごく助かりました!「使える制度は使いたい!」という思いでしたから...
私は子宮頸部の異形成というのが見つかったんですが、色々調べる中で
「異形成はガンではないから、ガン保険が適用されない」
という情報を見つけて、ヤバイって思ったんです。お金どうしよう...って。
ひとり親家庭なので、 国の助成などもあって、治療のための出費は抑えられたんですよね。
でも、「高齢者の場合、丸一年たっても体力が戻らない」という記事を読んで、
「自分もそうだったらどうしよう...」とすごく不安でした。

wacca
働けない期間が⻑くなると、収入面での不安が募りますよね...
お仕事はどのくらい休まれたんですか?

みんとさん
1ヶ月ですね。
正社員なので、固定給から欠勤扱いになった分を除いて
給料はいつもの半分以下に減ってしまっていました。
社会保険には入っているので傷病手当は出るんですが...
やっぱり、ひとり親の方って周りを見渡してもあんまりおられなくて、
病気になったときの不安や苦しさを、自分と同じように感じてもらえることって
無いんじゃないかな?なんて思ったりもして。
だから、色んな人がお金のヘルプに参加してくださったこと、嬉しかったですね。

wacca
ヘルプを受けられた後、みんとさんが出されたコメントの中で
「ひとりじゃないんだ」と書かれておられたのが印象的でした。
心の支えも得ることができた、ということですよね。

みんとさん
お金を出してくださることも、もちろん嬉しいことなんですけども
私のことを知らないのに、私のために動いてくださったというのが嬉しかったんです。
お金を支払うとき、クレジットカードの登録って面倒くさいじゃないですか。
財布からカードを出して、カード番号入れて...それをしてくれた人たちがいる。
何も知らない、名前もわからない、どこにいるかも分からない人のために
多くの方が手間をかけてお金を出してくださったというのは、凄いことなんです。
こんなふうに見知らぬ人同士が心で繋がって助け合えたら本当に素敵だし、
次は自分も誰かの支えになれたらって思えました。

wacca
そうですね、“困ったときはお互い様”で助け合える人の輪が広がって欲しいです。
ひとり親家庭における金銭的な不安は、尽きないですよね。

みんとさん
最近⻑女を塾に行かせるようになったんですが、今後中学、高校、大学...と
どこまで自由に進学させてあげられるのかって考えてしまいます。
あと、今の住まいは賃貸アパートなんですが、いつかはやっぱり家を買いたい。
でも、「もし、また病気したらどうする?払えなくなるんじゃない?」
と親から指摘されたりして、「ひとりだったら大きな買い物するのも不安だな」と
悩んでしまっているところもありますね。

wacca
wacca が、そんな悩みにも寄り添ったり支えたりできるものに発展していけたら...と思います。
みんとさんの視点で「こうなるといいな」といった希望や意見があれば、ぜひ教えてください!

みんとさん
私なんかよりも、もっと厳しい状況の方も沢山いらっしゃると思うんです。
心のヘルプを見ていても、「なんて声をかけたらいいのか...」と迷ってしまったり
何もできない自分の無力さを感じてしまう時があって。
だから、「スタンプ機能」が追加されたのはとても良いですよね!
手の届く範囲での意思表示がしやすくなったと思います。
あとは「たすけて」だけでなく「嬉しかったよ、楽しかったよ」という気持ちや出来事を
共有できるようになっても良いですよね。親バカを発揮できるところというか(笑)

wacca
そうですよね。時に、ポジティブな気持ちについて共感を得ることが
大きなヘルプになるということ、あると思います。

みんとさん
私が女だから思うのかもしれないことですけど、
女の人って「聴いてもらうだけでいい」っていうのもあるので
嬉しかったこと、イラッとしてしまったことなんかを話したい誰かと
「あ〜そうだよね」って聞いてくれる誰かがマッチングされるのも良いかなあ。
文章もいいですけど、音声で繋がれたり、対面で話ができると嬉しいです!

wacca
貴重な体験談からステキなご意見まで、本当にありがとうございました!
一層温かいコミュニティに成⻑させていけるように、これからも頑張っていきます!

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